2022年2月6日、トルコ南東部でマグニチュード7.4の地震が発生。
トルコは地震が多い国として知られていますが、
今回も建物の崩落が相次いでいて、死者がとても多い現状です。
なぜトルコは地震が多い国にも関わらず、
石やレンガの建物が多いですね。
「そりゃ崩れるよ…」と言われても仕方がありません。
なぜ建物の耐震基準を見直し、古い建物の建て替えなどをしないのか?
トルコ国民の防災意識などをまとめました。
トルコは地震多いのに建物の耐震性が低いのはなぜ?
JACK砲😰🇹🇷トルコの地震。。こりゃ世界的に災害援助必要なレベルだな。。😓
建物崩壊が多そうだ。#トルコ地震
pic.twitter.com/rD1wI3QP0s— Jack🇺🇸LA在住 🇯🇵日本人 (@jack_hikuma) February 6, 2023
トルコは大陸プレートが複雑に入り組んでおり、地震の発生がとても多い地域です。
2000年代に入ってからも、マグニチュード6以上の地震が5回は起きています。
トルコの一般的な建物や家屋は、組積構造でつくられています。
ヨーロッパの建築の影響をうけているため、そもそも地震を想定していないのです。
組積構造(そせきこうぞう)とは
石、れんが、コンクリートブロックなどを接着しながら積み上げて、建物の主体部分を作る構造。
JICAによると、2012年頃から国をあげて重要公共建築物の耐震化を進めていたそうです。
一般住居に対する耐震基準も厳しくなっていましたが、建て替えや耐震補強は費用がかかるため進みませんでした。
不正や汚職も多く、工事を請ける代わりに建て増した部分をよこせ、という業者も多いようです。
そして国は、国民からの反発を恐れて違法建築を見逃してきた背景があります。
これを自業自得とまとめるのは簡単ですが、
物価が高騰し給料が上がらない2023年の日本で、
いきなり「違法建築だから建て直せ」と言われて簡単に実施できる世帯がどれだけあるでしょうか?
トルコ国民の防災意識はどうなってる?
トルコでは、1999年の大地震まで、避難訓練や防災教育が行われてきませんでした。
親が知らないことを子供に伝えることはできませんよね。
2001年に地震に関する基本計画が作成され、耐震性基準を整備。
国民に広く防災意識を広げるため、JICAが支援しているそうです。
今回のシリア国境付近の地震でも、倒壊した建物が多い様子を見ると、
防災意識はまだまだ浸透してなさそうに思えますね。
日本もトルコのことをとやかく言えません。
平成7年(1995年)阪神・淡路大震災では25万棟もの住宅が全半壊しました。
その後、耐震基準が厳しくなり、倒壊しにくいビルや住宅が増えていきました。
他国の地震被害を知っても、アドバイスをもらっても、
実際に経験しなければ行動にはつながらないということですね。
まとめ:トルコは地震多いのに建物の耐震性が低いのはなぜ?
地震が多いトルコで、耐震性の低い建物に住み続ける理由は3点。
- お金がなくて耐震強化や建て替えができない
- 不正や汚職が多いためまともに工事が進まない
- 人々の反発がつよく違法建築を国が見逃してきた
伝統的な様式を大切にする国民のため、
日本のような家屋は受け入れられなそうですよね。
レンガを積み上げつつ、耐震もバッチリな建築法があればいいのですが…